ヘルパーができる医行為でない行為⑮ストマ装具の管理
こんにちは。
走る介護福祉士です。
今回は、ヘルパーができる医行為でない行為⑮ストマ装具の管理について書いていきたいと思います。
1:準備
2:手順
3:豆知識
1:準備
◆便を受けるごみ袋等
◆ティッシュペーパー(トイレットペーパー)新聞紙等
◆処置用タオルや紙おむつ等
◆使い捨て手袋
2:手順
①安定した姿勢になっていただき、使い捨て手袋をつける
②周囲が汚れないようにパウチの下に処置用のタオル等を敷く
③クリップを外し、パウチ口を開く
④パウチ口を折り返し、便を受けるためのごみ袋等に便・ガスを排出する
⑤先端に付着した便は、湿ったガーゼ等で拭いた後、ティッシュペーパー等の乾いたもので再度拭く
⑥パウチの口を数回折り曲げ、クリップをつけ口を閉じる
・パウチ内の空気はなるべく少なくする
⑦排出した便は、トイレに流す
⑧物品を片付け、手を洗う
※ウロストミー内の排液を行う場合、感染の可能性への配慮(排液口の消毒)が必要
3:豆知識
◆パック内を定期的に点検し、パック内1/3程溜まったら処理するようにする。
多量に溜まっていると、便の重みでパックが剥がれやすくなる
漏れ出した便の刺激により、皮膚炎になりやすい
◆ストマは痛みを感じる神経がないため、触っても痛みはない。
また、粘膜は常に粘液や腸液が分泌されて湿った状態になっている。
<<ストマの基礎知識>>
ストマとは「口」という意味
「種類」
◆人工肛門(便が出る)
・コロストミー(大腸で作られている)
⇒比較的形のある便が出る(左側に作られている場合)
・イレオストミー(小腸で作られている)
⇒粥状の便が出る(右側に作られている)
◆人工膀胱(尿が出る)
・ウロストミー(尿管で作られている)
・回腸導管(腸で作られている)
・腎瘻(腎臓から直接採尿する)
◆瘻孔(ろうこう)・・・上記以外の口
【パウチ・ディスク交換の手順の理解】
〔肌に接着したパウチの取り替えは、医療行為〕
利用者さんの交換される手順を理解し、必要物品の準備や体位の保持、片付けの手伝いをしましょう
①新しい装具・ストマ周囲の保清物品・使用済み装具を入れるごみ袋などを準備する
②貼っている装具を静かに剥す
③ストマ周囲の皮膚を洗い、良く乾かす
④新しい装具を貼る
【交換のタイミング】 使用している装具によって3日から7日
【装具の廃棄】 ビニール扱いで処理。装具内の排泄物はトイレに流し、空気を抜いて廃棄。
【必要な配慮】 ストマ装着による利用者さんのストレスへの配慮や声掛けを意識
是非、参考にしてみてください。
ヘルパーができる医行為でない行為⑭湿布薬
こんばんは。
走る介護福祉士です。
今回は、ヘルパーができる医行為でない行為⑭湿布薬について書いていきたいと思います。
1:準備
2:手順
3:豆知識
1:準備
◆貼り薬
・使用期限を確認する
◆ハサミ
◆必要時熱いおしぼりやタオル
2:手順
①手を洗う
②利用者さんに安定した姿勢になっていただく
・湿布を貼る部分以外はタオルなどで覆う
(前のものが貼ってある場合は、それを剥し、必要時清拭する)
・皮膚の状態を観察する
③湿布を貼る場所の確認(どのように貼るかデザインする)
④湿布を貼る
・新しい湿布に必要時ハサミで切れ目を入れる
・貼る前にフィルムのあるまま湿布を当て、場所の確認をする
⑤貼付する場所が決まったら、フィルムを剥しながら貼る
⑥上から手のひらで押さえ、体温に馴染ませる
・必要時、固定テープを併用する
<<貼る場所による工夫>>
湿布にハサミで切れ目を入れ、貼ると患部にフィットし、剥がれにくい
3:豆知識
◆湿布を剥すと皮脂も剥がれている・・・かぶれやすい皮膚の状態
※剥す側を180度反転させ、皮膚の決めを壊さないように剥すと良い
◆貼る場所は、少しずつ変える・・・かぶれ予防
◆入浴前は20~30分前に湿布を剥す・・・温度変化刺激を緩和
◆レントゲン検査時は必ず剥す・・・やけど予防
是非、参考にしてみてください。
ヘルパーができる医行為でない行為⑬鼻腔薬
こんばんは。
走る介護福祉士です。
今回は、ヘルパーができる医行為でない行為⑬鼻腔薬について書いていきたいと思います。
依頼の頻度はあまりありませんが、基本を学んでおきましょう!!
1:準備
2:手順
3:豆知識
1:準備
◆噴霧薬
・容器に入ったもの・・・薬剤名・使用期限を確認する
◆コットンまたはティシュペーパー
2:手順
①手を洗う
②利用者さんに安定した姿勢になっていただく
③軽く鼻をかんでいただく
④指示にある量を噴霧する
・首を前かがみにし、噴霧薬をまっすぐ立てて噴霧するか
首はそのままで、薬のボトルを斜めにいれる場合もある
・他方の鼻腔を指で押さえる
⑤薬がいきわたるよう
・少しの間、首を後方に傾け
・鼻で静かに呼吸していただく
⑥噴霧器の先や周囲をきれいに拭い、蓋をする
3:豆知識
◆1回の噴霧・・・約0.08~0.1ml
◆噴霧後に、液が口の中に回る場合は吐き出す(飲み込まない事)
◆噴霧時は首の保護・・・高齢者は頚の椎間組織の柔軟性がなくなるため過度の後屈は危険!!
◆保管は冷暗所・・・細菌の繁殖予防
◆噴霧薬(点鼻)に多い薬
・鼻炎の薬 Ⅰ通りを良くする(ハッカ油配合)もの
Ⅱ抗炎症作用のあるもの
Ⅲ抗生物質など
・ホルモン剤 尿崩症(尿量が多くなる・・・3000ml以上)の治療薬など
是非、参考にしてみてください。
ヘルパーができる医行為でない行為⑫市販のグリセリン浣腸
こんばんは。
走る介護福祉士です。
今回は、ヘルパーができる医行為でない行為⑫市販のグリセリン浣腸について書いていきたいと思います。
依頼の頻度はあまりありませんが、基本を学んでおきましょう!!
イチジク浣腸の使い方(自分で使うとき) -動画- イチジク製薬株式会社
自分で使用するのをイメージできれば、利用者さんへの介助がよりスムーズになります。上記参考にしてみてください。
1:準備
2:手順
3:豆知識
1:準備
◆市販の浣腸液(人肌に温める)30~40ml
◆潤滑油(オリーブオイル・ワセリンなど
◆トイレットぺーパー
◆使い捨て手袋
2:手順
①利用者さんの体調を確認し、物品を準備する
②実施場所へ利用者さんを誘導する
③使い捨て手袋をつける
④下着をはずし、事前に肛門の位置を確認する
【ベット上で実施する場合】
・お尻の下に紙おむつを敷き、ベット等を汚さないようにする
【トイレで実施する場合】
・下着をはずし、便座の前半分にかけていただき、やや前かがみになっていただく
・トイレ(Pトイレ)への動線を確保する
⑤潤滑油を浣腸の先につけ、お尻を上げ、ゆっくりと肛門に挿入する
・潤滑油を準備できない場合は、浣腸液を小量、浣腸の先端に塗る
・利用者さんには口呼吸、またはアーと低い声を出していただく
⑥浣腸液をゆっくり注入したら、浣腸を肛門から抜く
⑦トイレットペーパーで肛門を押さえ、できるだけ我慢していただく
⑧排泄後の身支度を整え、物品を片付ける
3:豆知識
◆血圧が高い場合、痔出血している場合は、実施前に医療者へ相談する
◆食事、水分、運動、環境を整え、規則正しい生活で便秘予防を心がける
◆浣腸液挿入前に必ず肛門の様子を眼で確認する(痔ろう・出血・脱肛の有無等)
是非、参考にしてみてください。
ヘルパーができる医行為でない行為⑪自己導尿の補助
こんばんは。
走る介護福祉士です。
今回は、ヘルパーができる医行為でない行為⑪自己導尿の補助について書いていきたいと思います。
訪問介護の仕事を始めて5年になりますが、自己導尿の補助の依頼を受けたことは一度もありません。
かなり依頼の頻度は低いですが、基本を学んでおきましょう!!
1:準備
2:手順
3:豆知識
1:準備
◆カテーテル
◆消毒液
◆尿を受ける容器
◆排尿記録
必要時:潤滑油・鏡・使い捨て手袋・照明・軽量カップ等
2:手順
①利用者さんに聞きながら、使いやすい位置に物品を準備する
②必要時、挿入部分が見えやすいように、照明で照らす
③カテーテルが挿入しやすいよう姿勢を取れるように介助する
④リラックスして実施できるように、プライバシーに配慮する
⑤カテーテル先端部の清潔が保てるよう、希望に合わせてカテーテルの固定を介助する
⑥転倒しないように支える
⑦尿の性状、量を確認する
【片付け】※カテーテルを再利用される場合
①カテーテルの先端が洗面台につかないようにし、流水で十分洗浄する
②洗浄後水分を切り消毒液の入った容器に保管する
③カテーテルの亀裂や閉塞の有無確認
④必要時、1日1回保管容器の消毒液の交換をする
3:豆知識
◆カテーテルが挿入できない場合は、無理をせず医療者に報告する
◆尿の濁り、出血、発熱、痛みがある場合は、医療者へ報告する
◆視力低下や手先の細かな動作ができにくくなっている場合は、家族とも情報を確認し、医療者へ相談する
◆感染予防への配慮は必須
物品を清潔に保管
清潔な実施手技
陰部の清潔の保持
利用者さんの生活に合わせ十分な水分摂取
是非、参考にしてみてください。
ヘルパーができる医行為でない行為⑩坐薬
こんばんは。
走る介護福祉士です。
今回は、ヘルパーができる医行為でない行為⑩坐薬について書いていきたいと思います。
意外に思われるかもしれませんが、坐薬の挿入は、ヘルパーもできます。
依頼の頻度は低いですが、基本を学んでおきましょう!!
1:準備
2:手順
3:豆知識
1:準備
◆坐薬
・使用期限を確認する
・冷たい場合は少しの間、手で持つなどして、常温に戻す
◆潤滑油:オリーブオイル・コールドクリーム(水で濡らしても良い)等
◆使い捨て手袋・ティッシュペーパー
2:手順
①手を洗う
②利用者さんの姿勢
・トイレ・・・座位:お尻側から、肛門が確実に見えるように前方に座って頂く
・居室・・・側臥位(左右どちらでも良い)で両膝を抱える。または上の膝をより深く曲げる
③坐薬に潤滑油をつける
・潤滑油がなければ、水で濡らし表面を少し溶かす方法も有る
④口で呼吸をして頂くように声をかける
⑤肛門から3~4㎝くらい奥まで、坐薬を挿入する
・人差し指第2関節まで
⑥肛門部を押すように30秒ほどティッシュなどで押さえる
⑦30分くらい、肛門にティッシュをはさんでおく
3:豆知識
◆口で呼吸すると腹部や肛門部の筋の緊張が緩み、坐薬挿入が楽になる
⇒口で呼吸をする理由
◆直腸から薬が吸収されるまでに20~30分ほどかかる
・冷たい坐薬は吸収時間が遅くなる⇒常温に戻す理由
◆挿入後すぐに出てしまった場合
・挿入後すぐで、坐薬の形がしっかりある場合は、すぐに再挿入する
・20~30分経過前に出てしまった場合は、医療職に連絡し指示を仰ぐ
(薬の種類によって、再挿入は危険なものがある)
◆坐薬の種類・・・痔治療薬、下剤、解熱剤、鎮痛剤等多種類ある
・ヘルパーは何の坐薬を介助しているのか知っておく必要がある
~麻薬の場合は取り扱い注意~
使用量と残薬が、処方した数と一致していることを確認する必要がある
是非、参考にしてみてください。
ヘルパーができる医行為でない行為⑨耳垢の除去
こんにちは。
走る介護福祉士です。
今回は、ヘルパーができる医行為でない行為⑨耳垢の除去について書いていきたいと思います。
訪問介護のケアでは、あまり依頼頻度は高くありませんが、いざという時のために、基本を押さえておくと良いかと思います。
1:準備
2:手順
3:豆知識
1:準備
◆綿棒・耳かき・ティッシュ
◆照明
2:手順
①見やすいように照明を調整する
②利用者さんの耳口が良く見える位置で、安定した姿勢をとって頂く
③光を当て耳の中を観察する
・耳介を後上方に引っ張ると中が見えやすい
④入口から1㎝程度の見える範囲の耳垢をかき出す
・無理して取ろうとすると中に押し込んでしまう場合がある
3:豆知識
◆外耳道の皮膚は薄く傷つきやすい(0.2㎜)、無理な耳掃除で傷つき外耳道炎を起こしやすい ※皮膚の厚さ0.4~1.4㎜
外耳道の皮膚は新陳代謝を繰り返し、ごみや耳垢を外に向かって出しているので頻繁な耳掃除の必要はないが、利用者さんの習慣を参考に実施する
◆かさかさの場合・・・入浴後、ベビーオイルで綿棒を湿らせて行う
◆痛みや出血、耳垂れや臭いがする場合は、医療職に報告する
是非、参考にしてみてください。